みなさんこんにちは!エールハウス 1級建築士吉田信男です。
このブログでは、『この家に長く住まい続ける』、そのための手段として「フルリノベーション」を選び弊社にご依頼いただきました藤沢市N様邸の施工例を紹介いたします。
今回は耐震補強編です♪
ご要望
ご近所の、弊社が施工させていただいたフルリノベ現場をご覧になってご依頼をくださいました。
〇建て替えではなく、フルリノベーションをしたい
〇住宅の性能を上げたい(耐震、断熱性能)
〇補助金の活用をしたい
上記のご要望をお伺いし、プランと並行してまずは耐震診断&補強計画を進めていきました。
築43年ということもあり、耐震性能が気になっているとおっしゃっていました。
実際に打ち合わせ等でN様邸をお伺いした際には、前面道路を大きなトラックが通ると、カタカタと軽く揺れを感じるような状態でした。
また、台風がくると強風で家が揺らぐ感じがする、とのお声もありました。
耐震補強工事を後押しするように、現在は補助金制度もあります。
今回は市の補助金制度を活用し、リノベーション工事を進めていきました。
補強工事の前に、耐震診断を行います。
耐震診断とは?
耐震診断とは既存の建築物で旧耐震基準で設計され耐震性能を保有していない建物を、現行の構造基準(新耐震基準)で耐震性の有無を確認することです。(「日本耐震診断協会」耐震診断とは より一部引用)
つまり、現在の耐震基準を満たしているかどうかを診断するということです。
診断の方法は2つ、
- 一般診断法 (住宅の内外を目視により確認する方法)
- 精密診断法 (壁や天井を部分的に破壊し、内部構造まで見る方法)
があります。
今回は、①一般診断法を採用し進めることになりました。
昔の耐震基準と現在の耐震基準
皆さん気になるポイントは、「自宅の耐震性能がどれくらいなのか?」という点だと思います。
目安になるのは、
『自宅が、新耐震基準に切り替わった1981年6月以降に建てられた建物かどうか』です。
新耐震基準とは、1981年6月より改正された基準で、
「震度6強~7程度の揺れでも家屋が倒壊・崩壊しない」基準となっています。
(実際、1995年に起きた阪神淡路大震災の際に、新耐震基準の家屋のほとんどが軽微な被害・無被害で済んでいるとのことです。)
新耐震基準に改正される前の基準は、旧耐震基準といいます。
2023年現在、約42年前より以前に建てられたものは、旧耐震基準の可能性が高いと考えられます。
ただし、あくまでも目安で、1981年以降に建てられたからと言って必ずしも新耐震基準になっているとは限りません。
建築確認証や検査済証に記載の「建築確認申請日」が1981年6月以降であれば、新耐震基準に沿っているといえますが、
地盤の状態等により実際は異なることもございます。(DAIKEN 「耐震基準とは?」より一部引用)
【耐震診断の結果】
今回のN様邸の耐震診断の結果は…
現在の新耐震基準では「倒壊する可能性が高い」との結果になりました。
補強計画
耐震診断と同時に、リノベーションの間取りプランをもとに補強計画を行います。
今回は主に、金物による補強と筋交いによる補強で耐震性能の向上を図りました。
○金物による補強
金物を取り付ける場所は、
・全ての柱(間柱除く)の上下(柱と横架材の接合を補強)
・全ての筋交いの上下(筋交いと柱の接合を補強)
○筋交いによる補強
耐震診断・補強計画で、既存の筋交いがそのまま使えるという診断が出ていても実際に解体をしてみると、改めて補強が必要であるというようなケースもあります。
今回も解体後に判明した補強が必要な部分に関しては、改めて耐震診断を行い、必要な補強工事を行いました。
【補強工事の結果】
「一応倒壊しない」ラインまで耐震性能を引き上げることができました。
耐震性能は、断熱性能等に比べて日頃実感することが少ないかもしれませんが、
「大型トラックが道路を通っても、台風レベルの強風の日でも家がびくともしないので守られている感じがする」
と、お住まいになってから実感されているというお声をいただきました。
耐震性能を見直してみませんか?
地震大国の日本では、近い将来に大きい地震が起きるという話も珍しくはありません。
このブログが、皆さんの耐震補強リフォームをお考えになるきっかけや参考になれば幸いです。
エールハウスでは耐震診断から耐震補強工事まで一貫して行っております♪
ぜひご相談ください!
エールハウスでは、建築士、インテリアコーディネーター、また整理収納アドバイザー1級、住宅収納スペシャリスト等の住まいに関わる資格を持った女性スタッフがおります。横浜・藤沢・湘南エリアでリフォーム・リノベーション・新築をお考えの際は、お気軽にエールハウスまでご相談下さい!