皆様こんにちは。 エールハウス藤沢店の新井田です。イチョウの木も黄色く色づき始め、秋を感じる今日この頃です。
本日は住宅の排水設備についてお話させていただこうと思います。
排水設備について
排水設備とは生活において排出される雑排水・汚水・雨水を衛生的・安全に処理をするための設備を指します。私達が生きていくうえで、なくてはならないものですね。
排水設備は大きく2つに分けられます。
- 汚水管
- 雨水管
汚水管とは?
建物の住宅設備機器(トイレ・洗面化粧台・浴室・キッチンなどの衛生器具)から排出される雑排水・汚水を建物内部から敷地を通り道路にある公共下水道まで繋ぐための設備が汚水管です。
雨水管とは?
雨樋などから流れてくる雨水を流す設備が、雨水管です。
排水方法について
下水処理区域ですと、汚水管と雨水管の排水方法には2つあります。
- 分流式
- 合流式
分流式とは?
汚水管と雨水管が別に配管されており、汚水は公共下水道へ、雨水は河川に放流する排水方法を分流式といいます。
合流式とは?
雨水と汚水を1つの配管で流す排水方法が合流式です。
以前は合流式が一般的でしたが、近年の雨量の増加に伴い、雨の日の下水処理施設で汚水と雨水が大量に流れ、下水処理施設での処理が間に合わなくなってきている事から、現在では分流式が一般的になってきています。
排水設備の構造・仕組みについて
汚水管には主に、5つの配管系統に分かれています。
- 器具排水管 : 衛生器具から出ている排水管を排水横枝管に繋ぐための部材
- 排水横枝管 : 器具排水管を排水縦管に繋ぐための部材
- 排水縦管 : 排水横枝管を排水横主管に繋ぐための縦排水管
- 排水横主管 : 排水縦管から来た室内排水を敷地排水管に繋ぐ横引き配管
- 敷地排水管 : 排水横主管を下水道本管(公共下水設備)に繋ぐ屋外埋設配管
上記の主部材にて公共下水道設備に接続していきます。
図のように配管を繋げ建物内部から敷地を通り公共下水道へと排水していきます。
配管を設けるための規定について
まずは排水管の勾配規定です。表のように、管径により勾配が変わってきます。
基本は1/100勾配(1mに付き1cm下がる勾配)が基本ですが、トイレなどの排水だと1/50の勾配が必要な場合もあります。この勾配以下だと、流れが悪く詰まりの原因になる場合がありますので、ご注意下さい。
埋設するにあたっての規定について
排水管を埋設するには、荷重が掛かった場合に配管が破損しないように、土かぶりの規定があります。配管は原則として20cm以上埋設しなければなりません。また、敷地に埋設してある配管は、排水だけではなく給水管と雨水管も埋設されています。それぞれを埋設するにあたって規定が異なり、分流式の場合の雨水管と汚水管の設置では、“平面上同じ位置に設置してはならない”という規定があります。
給水管の規定はさらに厳しく、水平距離50cm・上下距離30cm離さなければなりません。給水管と排水管が交差する場合では、排水管に破損があった際に、汚水が土に浸透して給水管継ぎ手等から汚水が進入するのを防ぐため、“必ず給水管は排水管上部に設ける”という規定もあります。
上記規定をクリアできるよう排水設備を設計していかなければなりません。屋内配管からの接続位置や勾配・埋設深さ・給水等他の設備との設置場所を考えながらの設計になるので、とても大変ですよね。
排水枡について
排水枡とは室内から来る配管の合流部や湾曲部・勾配が変わるゴミの溜まりやすい箇所に設け、点検・清掃・管理をしやすくするためのもので、排水設備には欠かせない重要な設備です。枡にもいくつか種類があります。
- インバート枡(汚水): インバート枡は、汚水・雑排水を円滑に排水する目的で使用する枡で固形物を滞留させないようにする枡です。トイレなどの汚水で使用されます。
- トラップ枡:キッチンなどから流れてくるゴミを沈殿させ、水のみを下水道へ流すための枡で、封水することによって臭気や害虫の侵入を防ぐ目的もあります。
- 泥溜枡:泥や砂を沈殿させる枡で、主に雨水枡に使われています。
- 会所枡:キッチン・洗面などの排水が合流箇所に設ける枡で、流れてくる雑排水に含まれているゴミを沈殿させ、水のみを下水道へ流すための枡です。
- 公共枡:住宅内の全ての汚水・雑排水の合流する枡で、下水管に繋がる枡です。最終枡とも呼ばれ管理は市町村になります。
上記枡を用途に合わせて使い分け、排水管を繋げていきます。しかしトラップ枡は器具側にトラップが付いている場合、2重トラップになってしまうので、注意が必要です。2重トラップにすると排水能力が低下するので、詰まりの原因になってしまいます。
枡の形状と素材について
基本的に排水管の材質は、塩化ビニル管(塩ビ管)を使用します。塩ビ管の特徴は流体の流量が多く、腐食にも強い素材なので、通気や給排水で広く使われています。また施工の際加工がしやすく、材料が安価と言う点が魅力です。
現在では、枡に関しても塩ビ枡を使うのが一般的ですが、以前はコンクリートを使っていました。
コンクリート枡の耐久年数は、約15~20年ほどと言われており、実際にひび割れが起きたり、塩ビ管と相性が悪く、塩ビ管とコンクリートの接続部分に隙間が出来てしまうなどして、汚水が漏れ出す危険性があり、塩ビ枡への交換をおすすめしています。
以上排水設備についての説明でした。次回は排水枡の点検や掃除方・修繕方法についてご紹介しようと思います♪
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