こんにちは、経理の伊丹淳一です。
第9回目の「知ってトクする住宅に係る減税制度」は、住宅の投資型減税(借入金の有無を問わない減税制度)として、第6回、第7回、第8回に引き続き「中古住宅の改修工事を行なった場合の所得税の特別控除」のうち、「多世帯同居改修工事等」を行なった場合の減税制度についてご紹介します。
1.制度の概要
個人が、その者の所有する居住用家屋について、他の世帯との同居をするのに必要な設備の数を増加させるための一定の改修工事をして、その居住用家屋を2016年4月1日から2021年12月31日までの間にその者の居住の用に供した場合に、次の金額がその年分の所得税額から控除されます。
2.適用要件
(1)自己が所有する家屋について、多世帯同居改修工事をして、2016年4月1日から2021年12月31日までの間に自己の居住の用に供していること。
(2)多世帯同居改修工事の日から6か月以内に居住の用に供していること。
(3)その年分の合計所得金額が3000万円以下であること
(4)調理室を増設する工事、浴室を増設する工事、便所を増設する工事又は玄関を増設する多世帯同居改修工事であること。なお、自己の居住の用に供する部分に調理室、浴室、便所又は玄関のうちいずれか二以上の室がそれぞれ複数になる場合に限ります。
(5)多世帯同居改修工事に係る標準的な費用の額が50万円を超えるものであること。
なお、その多世帯同居改修工事の費用に関し補助金等の交付を受ける場合には、その補助金等の額を控除します。
(6)工事をした後の住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。
(7)その工事費用の2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること。
3.特別控除額
・多世帯同居改修工事等に係る標準的な工事費用相当額(注1)×10%(250万円を限度)
(注1)標準的な工事費用相当額とは、多世帯同居改修工事の改修部位ごとに標準的な工事費用の額として定められた金額にその多世帯同居改修工事を行った箇所数を乗じて計算した金額
4.申告手続き
この制度の適用を受けるには、確定申告書に
①この控除に関する明細書
②増改築等工事証明書
③登記事項証明書
添付して提出する必要があります。
5.さいごに
第9回目をもちまして、「知ってトクする住宅に係る減税制度」のご紹介が最後になります。今後も、住宅に係る減税制度やお得な情報を発信してきますので、是非ご覧ください。