浴槽隣接設置タイプ(二つ穴)の給湯器交換の際の注意点

こんにちは! 一級建築士の伊丹勇司です。

給湯器(お湯を沸かす機械です)には色々なタイプがあるのですが、今回は浴槽隣接設置タイプの給湯器を交換する際の注意点をお知らせいたします。

浴槽隣接設置タイプ(二つ穴)給湯器

まず、浴槽隣接設置タイプの給湯器と言われても、どのような給湯器か分からないと思います。現状の浴槽の側面に二つ穴が空いていれば、その給湯器は浴槽隣接設置タイプの可能性は大です。現在、新しい家で浴槽隣接設置タイプの給湯器を採用することはほぼ無くなってきているため、流通数は減少傾向にあるのですが、同じタイプの新しい給湯器へ交換は可能です。しかし、当社では下記の理由により、浴槽隣接設置タイプではなく、設置フリータイプ(一つ穴)の給湯器への交換をお勧めいたします。

設置フリータイプ給湯器(一つ穴)のメリット

1、湯垢がたまりにくい

二つ穴の給湯器は管の中に湯垢がたまりやすく、マメに掃除をしないといけません。また完全に湯垢を取ることは難しいです。それに比べ、一つ穴の給湯器はポンプで強制的にお湯を循環させるため、管の中に湯垢がほとんどたまりません。

2、浴槽のお湯が冷めにくい

二つ穴の給湯器は自然循環式のため、給湯器が停止している状態だと下の穴から冷めた水が流れ込み、湯船が冷めやすくなります。一つ穴の給湯器はポンプで強制的にお湯を循環させているため、二つ穴の給湯器と比べると断然に冷めにくいです。

3、浴室リフォームに対応しやすい

二つ穴の給湯器の場合、管の高さが制限されるため、浅い浴槽では使用できないことがあります。最近のユニットバスは浅い浴槽が多いため、ユニットバスへのリフォーム工事をすることも考慮して、一つ穴の給湯器への交換をお勧めいたします。


【工事前】

浴槽隣接設置タイプ(二つ穴)の給湯器 給湯器

工事前は2つ穴が空いています(浴槽隣接設置タイプ)。


【工事後】

給湯器 給湯器

分かりづらいですが、工事後は穴が1つになり、外側はプレートで塞ぎ、内側の穴の一つは専用のキャップで塞ぎました。


以上のように、浴槽隣接設置タイプの給湯器を交換する際は一つ穴の給湯器への交換をお勧めしますとお話しいたしましたが、注意点もございます。一つ穴の給湯器の場合、浴槽からお湯が出てくる箇所に付いているフィルターの目が細かいため、マメにフィルターのお掃除をお願いしております。フィルターを掃除しないと沸かないうちに追い炊きが止まってしまうようになってしまいます。しかし、お掃除方法は簡単ですのでご安心ください。

浴槽隣接設置タイプ(二つ穴)給湯器