こんにちは、経理の伊丹淳一です。最近はシェイプアップのため、横浜市内の24時間ジムに通ってます!
第3回目の「知って得する住宅に係る減税制度」は、省エネ改修工事を行なった場合の減税制度である「住宅の省エネ改修工事に係る住宅ローン控除の特例」という制度をお伝えします。
1.住宅の省エネ工事に係る住宅ローン控除の特例とは?
地球温暖化防止に向けて家庭のCO2排出量の削減を図るため、自己の居住用の家屋について、借入金等により省エネ改修工事を行なった場合に『その省エネ改修工事等に充てるため借り入れた住宅借入金等の年末残高の1000万円以下の部分』の一定割合がその年分の所得税額から控除されるという制度です。内容は次の通りです。
(1)入居要件
居住者が自己の居住用家屋について、一定の省エネ改修工事を含む増改築等(2017年4月1日よりの入居分については、省エネ改修工事と併せて行う一定の耐久性向上改修工事を含みます)を行ない、その家屋を2008年4月1日から2021年12月31日までの間にその者の居住の用に供することが要件となります。
(2)一定の省エネ改修工事とは?
① 断熱改修工事など
全ての居室の全ての窓の改修工事、又はその工事と併せて行う床の断熱工事、天井の断熱工事若しくは壁の断熱工事で、次の(イ)及び(ロ)の要件を満たすもの
(イ)改修部位の省エネ性能がいずれも2016年基準以上となること。
(ロ)改修後の住宅全体の断熱等性能等級が改修前から一段階相当以上上がると認められる工事内容であること。
(注1)2009年4月1日から2015年12月31日までの間に居住の用に供した場合は、(ロ)の要件を満たさないものも断熱改修工事等の対象となります。
(注2)2017年3月31日以前に居住の用に供した場合は、(イ)について2013年基準相当以上になることが必要です。
② 特定断熱改修工事など
・全ての居室の全ての窓の改修工事、又はその工事と併せて行う床の断熱工事、天井の断熱工事若しくは壁の断熱工事で、次の(イ)及び(ロ)の要件を満たすもの
・居室の窓の改修工事、又はその工事と併せて行う床の断熱工事、天井の断熱工事若しくは壁の断熱工事で、次の(イ)及び(ハ)の要件を満たすもの
(イ)改修部位の省エネ性能がいずれも2016年基準以上となること。
(ロ)改修後の住宅全体の断熱等性能等級が2016年基準相当となること。
(ハ)改修後の住宅全体の断熱等性能等級が現状から一段階以上上がり、改修後の住宅全体の省エネ性能について断熱等性能等級が等級4又は一次エネルギー消費量等級が等級4以上かつ断熱等性能等級が等級3となること。
③ ①又は②の工事と併せて行う一定の修繕・模様替えの工事
(3)適用される住宅
工事をした後の住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであることが適用条件になります。
(4)住宅借入金等について
償還期間5年以上の一定の借入金等で年末残高が1,000円以下の部分について対象となります。
(5)控除期間は?
5年間適用されます。
(6)控除率
① 特定の改修工事(改修後の住宅全体の省エネ性能が1999年基準相当に上がるもの。また、2017年4月1日より入居分については、特定の省エネ改修工事と併せて行う一定の耐久性能向上改修工事を含む)に係る住宅借入金等の年末残高(250万円が限度)・・・2%
② 上記①以外の住宅の増改築工事に係る住宅借入金等の年末残高・・・1%
※その改修工事に要した費用に含まれる消費税等が8%または10%でかかっているものに限られます。それ以外の場合には200万円となります。
(7)いくらの工事から適用される?
50万円超(補助金等を除く)のものから適用されます。
(8)所得要件があります
その年分の合計所得金額が3000万円を超える場合は、その年分については適用を受けることができません。
(9)選択適用
この制度は住宅の増改築等に伴う住宅ローン控除との選択適用になります。
選択にあたっては、各制度の要件、控除率、控除期間などをよく比較検討して下さい。
(10)証明書
この制度の適用を受けるためには、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく適合機関等による「増改築等工事証明書」が必要です。
2.さいごに
今回は省エネ改修工事にかかる所得税の減税制度を紹介しました。前回(住宅のバリアフリー改修工事にかかる住宅ローン控除の特例)を次回(多世帯同居改修工事等を行った場合の住宅ローン控除の特例)とあわせて資金を借り入れた場合の所得税の減税制度のうち、適用できる減税制度がないか、今一度ご検討下さい。