皆さん、こんにちは! エールハウス藤沢店スタジオの川西です。
お客様との打合せやご説明の際には、出来るだけ分かりやすく、専門的な用語は避けるようにはしているのですが、職人さんとの会話や、御見積書を作成するときなどは、どうしても専門的な言い回しが必要になる場合が多くなります。
そこで今回は、建築工事の際に現場でも飛び交う専門用語の第三弾として、わかりやすく説明したいと思います。
イーニッサン(インニッサン)・イチサンインゴ
私も入社したての時は何言ってるのか理解不能でしたが、現場ではほんとに良く使う単語です。どちらも材木の種類のことを指していて、イーニッサンは断面寸法1寸2分×1寸3分の角材、イチサンインゴは断面寸法1寸3分×1寸5分の角材を指します。
主に天井・壁・床の下地材として使用し、イーニッサンは36㎜×40㎜(現在は30×40㎜)で製材された主に赤松材を指し、イチサンインゴは40㎜×45㎜の材木で主に米栂材を指します。
その他にもよく使う呼称では、インゴ角(45㎜x45㎜)インゴノサンゴ(45㎜×105㎜)などあります。
胴縁
18㎜×45㎜や15㎜×45㎜の寸法の外壁や室内壁ボードを留め付ける為の下地材です。外部に取り付けられる胴縁には、予め防腐処理が施されている胴縁材を使用する場合が多いです。内部の壁ボード下地の胴縁は、最近では省略されている場合が多いです。
見付け・見込み寸法・散り(ちり)
窓やドアの枠周りの納まりでよく耳にする用語です。
窓の枠で例えると、見込みとはその枠材の奥行き部分の寸法を指し、見付とはその枠を正面から見た厚みの寸法を指します。
散り(ちり)とはその枠が付いている壁面から見付面までの寸法を指します。
固定枠
既製品のドア枠や窓枠をいい、枠正面から見付をみると一面のみが見えるシンプルな意匠の枠です。対義語としてケーシング枠がありますが、ケーシング枠に比べ、材料費がやや安価で出来ます。
(写真の出典は DAIKEN HP https://www.daiken.jp/ より)
ケーシング枠(調整枠)(見切り枠)
枠材と壁との境目を枠で調整できるようになっています。
正面から見付を見ると、枠材の見付と調整枠の見付で2段になるので、建具廻りやサッシ廻りに重厚感を演出することが出来ます。ただし逆に重くるしいと感じる方もいますので、打合せ時に確認しておくと良いかと思います。
(写真の出典は DAIKEN HP https://www.daiken.jp/ より)
水道配管の切廻し
水廻りのリノベーション・リフォームの工事において、新しく設置する設備機器それぞれのメーカーの指定の位置に給水・給湯管 排水管・追焚きの配管等を移設することを言います。
例えば洗面台の交換で、今付いている洗面台と同じサイズで同じ給排水方法で扉の開き方も同じの場合、切廻し工事は不要なのでそのまま新しい洗面台を交換できます。
しかし、サイズを変えたり、両開き扉から使い勝手の良いスライド扉等に交換したい場合は、水道系統の切廻し工事が発生する場合があります。
マンションは床がそのままコンクリートスラブだったり、二重床でも床スラブまでのスペースに余裕が無かったりと条件が厳しい場合が多く、切回しが出来ない場合がありますがご安心ください。
各メーカーさんがそれぞれ製品の方で配管類を処理できるリフォーム対応キットなどをご用意してますので、リノベーション・リフォーム工事を諦める必要はありません。
スラブ
木造住宅の場合は基礎工事の際や、RC造の戸建住宅やマンションでも耳にする用語です。
意味としては石材や木材、金属などの四角くて厚い板のことを指しますが、建築業界的にはスラブと言ったらコンクリートの床のことを言います。厳密には屋内の床は床スラブ、屋根の床は屋根スラブなどと分けて使います。
置き床・固定床
乾式二重床とも言い、多くのマンションで採用される床組みの構造の一つです。
防振ゴムの付いた支持脚で床パネルを支えて、その上に仕上げとなる床材を張ります。スラブと床の間に空間が出来ることから、保温性や防音性に長けています。床先行工法や壁先行方法など、施工方法、防音等級や床の仕上げ材の種類などによっても様々な工法があります。
本来の置き床工法は、室端部に際根太という材を固定して取りつけ、支持脚自体は固定はせずまさに置き床の名の通り置くだけの施工方法でした。支持脚は固定しなくとも際根太に床パネルが固定されるので問題が無いとされていましたが、近年この際根太が上階から下階に音を伝える原因だと判り、それからは際根太を無くし、支持脚を接着剤固定する工法に変わりました。
厳密に言うと 固定床工法になりますが、現場ではまとめて置き床と言っています。
霧除け庇
窓の上に設ける出幅300~450㎜程度の小さい庇を言います。
大雨や強風の雨はさすがに防げませんが、その名の通り小雨や霧雨程度なら、雨天時でも窓を開けられるのでとても重宝します。霧除け庇には、腕木庇という造作方法、箱庇という造作方法やアルミ製の既製品などありますが、近年はなるべくシンプルでシャープな外観が好まれる傾向がある為、霧除けを取り付ける窓も少なくなって来ています。
今回は以上となりますが、山ほどある建築用語です。私もまだまだ知らない用語が眠っていますので、自分の勉強も兼ねてシリーズ化していきたいと思います。
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