定期点検で長く住もう!【点検編】~長期優良住宅10年点検します~

皆様こんにちは。エールハウス藤沢店二級建築士の新井田です。

今回は長期優良住宅について前回の続きで、実際に点検をさせて頂きましたのでご紹介致します。

前回のブログはコチラから⇒定期点検で長く住もう! ~長期優良住宅10年点検します~

 

長期優良住宅の点検

長期優良住宅は前回ご説明した通り、長期に渡り建物を定期的に点検・維持保全を行うことです。長期的に建物を維持していく目的で最低でも10年に一度点検及び必要箇所の修繕が必要となります。

点検は申請時に作成した維持保全計画書に基づき点検をします。

維持保全計画書

 

長期優良住宅でも通常の建物においても、年月が経てば不具合や劣化は当然していきます。人間でも健康診断を行ったり、怪我や病気になったら治療するように建物も修理や交換などのメンテナンスが欠かせません。

特に外壁や屋根は日光や雨風などの厳しい環境下に常にさらされているので、建材の表面保護の為に塗装を行わないといけません。また、劣化してしまうと雨漏りにつながり兼ねない為、外壁や屋根の貼り替え等が必要な場合もあります。

さらに、水回りの設備からの水漏れもご相談頂くことが多い不具合で、知らず知らずのうちに水漏れしていて躯体を濡らし、躯体が腐食してしまっていることも多々あります。

腐食

そういう不具合が発生する前に建物を定期的に点検・修繕を行うことが建物を長く維持していくうえでとても重要になります。

点検・修繕を怠り、修繕が必要な箇所を放りっぱなしにしてしまうと建物の寿命が縮んでしまう可能性も十分にあります。躯体等の修繕までになるとかなりの工事代金が必要となる場合もありますので早め早めのメンテナンスをお勧め致します。

 

長期優良住宅では最低でも10年ごとの点検が義務となっており、点検と修繕内容の保管が義務付けられております。なお、通常は点検結果等の報告は必要ありませんが、市役所等から点検状況の提出を求められた場合は市役所に提出が必要となる場合もございますので定期点検はしっかりと行いましょう。

(提出を求められた際に維持保全計画点検報告書等の提出をしない、虚偽の報告を行った場合は30万以下の罰金や長期優良住宅の権利はく奪もあり得ます。)

 

皆様も建物の調査を行い安心安全な住まい作りを!

次に実際の点検内容をご説明していきます。

 

建物の維持保全計画

まずは建物の点検項目についてご説明していきます。点検箇所は下記の表通りです。(※個人情報にあたる為、サンプルに基づきご説明致します)

〇構造躯体部

  • 基礎  - ひび割れ・欠損等
  • 土台  - 土台の浮き、腐食や蟻害等
  • 床組  –  腐食や蟻害、傾き、床なり等
  • 軸組  –  腐食や蟻害、傾き、欠損等
  • 小屋組 - 雨漏り、接合部割れ等

 

〇外装部

  • 屋根  - 剥がれ、浮き、雨漏り等
  • 外壁  - ひび割れ、シーリングの劣化等
  • 雨樋  - 破損やつまり等
  • 軒裏  - 腐食、剥がれ、雨漏り等
  • 開口部 - 外壁取合、開閉不良等

 

〇設備

  • 給水管 - 漏水、赤水、水圧等
  • 排水管 - 漏水、つまり等

 

上記該当箇所を細かく点検していきます。

通常の点検では足場をかけない場合もありますが、今回は別工事で足場をかける予定でしたので、足場設置後点検を致しました。

足場を架けてから点検することで、実際に点検箇所を触って確認ができる為、より正確な現状状態が把握できます。足場がないと高所の部分は高所カメラ等での点検となってしまいます。

 

実際の点検作業

大まかに点検の様子をご紹介していきます。

 

〇基礎・土台・床下

今回のお客様の建物は乾式タイル貼りの外壁で、基礎もタイル貼りになっておりましたので、打診棒による点検と、室内床下からの点検を致しました。

床基礎部

また、基礎同様土台、床組の様子も実際に床下に潜り、点検をします。

実際に床に水平器をあて、床が水平に組まれているかもチェックしていきます。

床組

床水平状況

 

〇軸組・小屋組

軸組や小屋組は小屋裏に入り、点検をします。今回は吹付断熱でしたので金物の様子がわかりませんでしたが、雨染み等は確認できませんでした。

また、室内の壁の水平垂直を見ることで、建物の歪み等も確認していきます。

小屋裏

壁水平状況

 

〇外壁等

外壁はタイル貼りでしたので打診棒による打診検査を行いました。

また、同時に軒天や破風・雨樋も一緒に点検して回ります。

タイル打診検査

外部点検

屋根は実際に上がり、目視と実際に触り、浮上り等がないかチェックしていきます。

屋根点検

 

〇室内の点検

給水と排水の漏水がないか、設備機器ごとに床上、床下共チェックしていきます。同時に水圧が不足していないかなどもチェックしていきます。

床上漏水点検

床下漏水点検

また、内装は床の不陸や壁の不陸、壁下地の浮上り、クロスに割れや剥がれがないか、サッシや建具の動きなど事細かに調べていきます。

壁点検 クロスひび割れ

 

点検させて頂いて発見した不具合箇所の修繕工事を行い、長期優良住宅の点検整備は完了となります。

 

皆様も建物の定期点検を行い、安心安全な住まいづくりを目指しましょう!

エールハウスでは、建築士、インテリアコーディネーター、また整理収納アドバイザー1級、住宅収納スペシャリスト等の住まいに関わる資格を持った女性スタッフがおります。横浜・藤沢・湘南エリアでリフォーム・リノベーション・新築をお考えの際は、お気軽にエールハウスまでご相談下さい!

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