足場ってなぜ必要? ~足場についてご紹介します!~

 皆様、こんにちは エールハウス藤沢店スタジオ、二級建築士の新井田です。

 工事の際、足場を掛けさせて頂く事が多々ありますが、なぜ足場を掛ける必要があるのか、ご存知ですか?

 今回は屋根や外壁工事で、とても重要な足場についてご紹介致します。

足場とは?

 足場とは高所作業を行う際の作業用の床を、鋼管などを組み合わせて建物の外周に設ける仮設の作業台のことで、主に屋根の葺き替え工事や外壁の塗装工事、新築工事や建物解体などの外部工事を行う際に必要となります。

 足場を設けることで、作業の安全性や効率化を図る為に足場は必須となります。

 

足場を設置する理由

  • 職人さんの安全面確保

 まず足場を建てる一番の理由が『安全確保』です。

 職人さんが安全に高い場所でも作業をできるように足場を建てなくてはなりません。また足場がないと安全帯を取付ける場所がありませんので、万が一転落事故が発生してしまった場合に死亡事故にもなりかねません。

 

  • 作業の効率化

 建物には、はしごや脚立では届かない箇所が多々ありますので、高い箇所の作業には足場は必須になります。また、脚立を移動させる手間などを考えると、職人さんの作業ペースも変わってしまいますので、足場がある・ないで作業の進行状況が大幅に変わってしまいます。

 

  • 解体材や塗料などの飛散防止

 こちらも足場を設置する中でとても重要なことなのですが、塗装工事で飛散してしまう塗料や、解体を行う際に発生する埃や解体材の破片が飛散し、ご近隣の方の建物や、 車、洗濯物などを汚してしまうのを防ぐ為、メッシュ養生を張って養生をします。

 また、塗装の際、最初に行う高圧洗浄もかなり飛散してしまいますので、メッシュ養生はとても重要になります。

 

 上記以外にも資材を上げる為のはしごの設置をするなど様々な用途が足場にはあります。

 様々な要因があり、外部工事などの足場を必要とする工事の際は費用は掛かってしまいますが、足場を建てさせて頂いて工事をさせて頂いております。

 ただ、足場を建てる際はいくつか注意点がありますので、次は足場を建てる際の注意点をご紹介致します。

 

足場設置の注意点

1.道路や隣地への越境

 足場を設置する際は道路や隣地へ越境(敷地からはみ出してしまう)場合がありますので、隣地の場合では敷地所有者様の合意が必要です。道路面の場合ですと、道路占有許可証という道路に足場を建てる申請が必要となります。

 

2.車の移動

 足場を建てる際は、作業する際に作業スペースの確保と車を傷つけないように移動をお願いさせて頂く場合があります。また、足場の位置により、車が工事期間中、止められなくなる場合がありますので、月極駐車場等をお借り頂く必要がある場合があります。

 

3.カーポートの屋根やテラス屋根の一時撤去

 足場を建てる際に倒壊しないための強度が必要なので、カーポートやテラス屋根の位置に足場が干渉する場合があり、その際は工事期間中に外させて頂く場合があります。

 

4.プロパンガスの場合ボンベ交換ができない

 プロパンガスの場合、ガスボンベの交換が困難になる場合がありますので、工事着工直前に交換していただく場合があります。

 

5.電線が干渉する場合

 こちらは稀なケースですが、足場を建てる際、電線の高圧線(電線の上部に通っている高圧線)と近接してしまう場合は電力会社に連絡し、高圧線の保護が必要となる場合があります。

 

 そのほかにも足場架けの際、大きなトラックで足場資材を運搬致しますので、前面道路が狭い場合や交通量の多い道路で車両を止める場合では、警察署に道路使用許可の申請と交通整理員に交通整理をしていただく必要もあります。

 

 次に、足場の種類についてご説明致します。

 

単管足場

 少し前までは頻繁に使われていた足場で、単管パイプをクランプと呼ばれる金物をボルト固定で組み立てていきます。

 単管を2本抱き合わせ、床にしている為、滑りやすく安全面に不安がある為現在では使うことが少なくなってきましたが、現在単管足場でも踏板を使うようになり、安全性はよくなっていることや、踏板高さの自由度が高いこと、狭い場所などでも組み立てやすいことから現在でも使用されています。

 

クサビ緊結足場(ビケ足場)

 現在の戸建て足場としては最も多く使われている足場で、図のようなクサビをハンマーで打ち込み固定する足場となります。

 組立が早いことや単管足場より頑丈に建てられることから、弊社でもよく使用している足場です。

枠組み足場

 戸建て住宅ではあまり使われない足場ですが、マンションやビルなどの高層建築物の足場として最も使われている足場で、三方で組まれた足場材を組み立てていく工法です。

 設置には広いスペースが必要となる為、戸建てではほぼ使用できません。

 

 そのほか、吊り足場や移動式足場などありますが、どちらも戸建てではほぼ使われませんので、説明は割愛致します。

 

 

 最後に足場の建て方です。

 

全面足場

 建物の4面にかける足場で、塗装工事などでは一般的に全面足場です。

 

一面足場・部分足場

 工事の際、部分的に足場が必要な場合、全面にはかけず、部分的にかけることも可能です。ただ、強度確保が必要で、控えと言う足場を支える部材が必要である場合や、コの字型に足場を設置する必要がある為、全面足場に比べると費用は安くなりますが、施工費は割高となります。

 

屋根足場 

 屋根勾配が急な場合に必要になる足場で、6寸勾配を超える場合や、苔など滑りやすい屋根の場合に安全に作業ができるよう屋根に足場をかけさせて頂く場合があります。

 今回は足場についてご紹介させて頂きました。

 

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