【台風前にチェック!】屋根点検と被災時の対処方法

こんにちは! エールハウスです。

今回は、大型台風に備えて『屋根の点検&対策について』『もし被災した場合の対処方法などについて』お伝えさせていただきます。

 

台風の大型化により屋根の被害が拡大

近年、台風の大型化や台風シーズンの長期化で被害にあわれる家が増えています。皆様のご自宅は大丈夫でしょうか?

 

気象庁が発表した月別台風発生数2020年から2024年の5年間のデータからみると、近年では4月から台風が発生し始め、7月ごろから増加し、11月ごろまで複数の台風が発生する傾向が続くとされています。

大型で強い勢力を持った台風では、瓦屋根や軒下材が吹き飛ばされ風下の家の屋根に衝突し、衝撃を受けた屋根も吹き飛ばされ被害が連鎖的に拡大します。

台風後は、多数の被災家屋が発生して修繕工事が集中します。「業者がなかなか来てくれない、職人や材料が手配できない、修繕が進まない」など、困った状況に陥りやすくなります。

台風前に、屋根や外壁を点検して、ご自宅は大型台風に耐えられるのか、確認することが大切です。

 

台風で屋根材が飛ぶ原因と注意すべきこと

台風で屋根が飛ばされる原因をご紹介します。

 

一番多いのは、屋根に付いている「棟板金」が飛ばされるケースです。

棟板金とは、スレート(コロニアル)屋根や金属屋根の棟にかぶさっている板金のことです。

棟板金は釘で固定されていますが、この釘は年数が経つにつれて熱膨張によって抜けてきてしまいます。この釘を打ち込まないで放っておくと、棟板金が浮いてきて簡単に飛ばされてしまいます。

こちらは棟板金全体が飛ばされたお客様宅です。

他には、強風で飛んできたものが窓に当たって窓ガラスが割れ、室内に吹き込んだ風が室内から屋根を飛ばしてしまうケースもあります。屋根全体が飛ばされてしまうと被害が大きくなるので、雨漏りに直結し家の内部まで腐食してしまう可能性があります。新築や重い屋根を使っていても、窓ガラスが割れて中に風を吹き込んでしまえば、屋根は飛ばされやすくなってしまいます。

誰の家でも起こりうる注意が必要な被害です。

 

では、飛ばされやすい屋根の状態とはどのようなものなのか?

原因になる箇所を対策すれば被害にあいにくくなるので、しっかりチェックしておきましょう。

 

屋根材・板金

屋根材や板金は、以下の症状があると強風で飛散しやすくなります。問題がないか、台風前にしっかり確認しておきましょう。

  • 割れている
  • ズレている
  • 浮いている
  • 棟(屋根の最も高いところ)がゆがんでいる

上記の項目を遠い場所から家を見てズレなどないかチェックしましょう。

屋根の上にのぼるのは危険なので、業者に頼んでチェックしてもらうのがオススメです。

 

とくに、古い家屋の瓦は要注意です。瓦をビス止めする「ガイドライン工法」が推奨され始めたのは平成13年以降で、それ以前に施工された瓦は桟木に引っかけてあるだけのものもあります。

棟板金の釘は築7年頃から徐々に抜けていきます。築7年を過ぎている方は必ず確認しておきましょう。

ちなみに、海岸沿いなど風が強い地域では2019年の台風15号の際に最新工法の防災瓦でも飛散しています。屋根の工事は、地域の特性を熟知した建築会社に最適な屋根材と工法で施工してもらうことが大切です。

 

台風が迫っているときは、窓ガラスが割れないように保護しましょう。

窓ガラスが割れてしまうと、風が室内に入り込み、屋根を吹き上げて飛ばしてしまいます。

シャッターや雨戸をしっかり閉めたり、ガラスの破損・飛散を塞ぐために段ボールや養生テープでふさぐ事も有効です。

リフォーム用耐風仕様の窓シャッターも注目され始めていますので、この機会に「窓のリフォーム」をされてみてはいかがでしょうか。

また家の周辺に飛びやすい植木や自転車・小物などは片付けて自宅や近隣住宅に被害を拡大させない対応も忘れずに行いましょう。

 

 

万が一台風で被災してしまったら

さて、万が一台風で被災したら、どうすればいいのでしょうか。

台風で屋根や外壁に問題が発生したら、できるだけすみやかに以下の手順で対応しましょう。

  1. 建築会社に連絡
  2. 損保会社に連絡
  3. 現地調査と応急処置
  4. 修理工事

まずは、すぐに建築会社に連絡して必要な修理の見積もりと職人の手配をしてもらいましょう。台風は罹災する家屋が多数発生するので、迅速に手配しないと長期間順番を待つことになります。

つづいて、ご利用になられている損保会社に連絡しましょう。台風が原因の修理は、費用を火災保険でまかなえることもあります。

火災保険が利用できるのは「風災」オプションが付いている場合です。

しかし以下の状況だと保険の対象外になります。

  • 建物の経年劣化
  • 屋根・外壁リフォームの施工不良
  • 台風が原因と判断できないケース
  • 原状回復以上の工事費

損保会社に「経年劣化が原因」と判断されないためには、日ごろのメンテナンスが大切です。メンテナンスを怠ると、劣化や大規模修繕を招くだけでなく保険でも不利になります。

火災保険に関しては、台風シーズン前に今一度、加入されている保険の補償内容を確認しておいてください。補償や掛け金が足りないと感じたら、保険もメンテナンスしておきましょう。

 

台風被害で弊社にご相談いただいた現場の一部をご紹介します

令和元年9月9日に関東に上陸した台風15号、10月12日に上陸した台風19号と、いずれも過去最強クラスの記録的な台風は東日本を中心に各地で甚大な被害をもたらしました。その際に弊社にご相談いただいた実例をご紹介したいと思います。

やはり被害が多かったのは「屋根」でした。

屋根に上ってみるとわかるのですが、下では風が強いと感じないような時でも屋根の上では違います。高いところでは遮るものがないので、意外に強い風が吹いていることがあるのです。台風の時ともなれば想像を絶するものでしょう。そんな中でも被害に遭われた家の多くは、やはり近隣と高低差のある家、特に高台にある家でした。

屋根の台風被害

棟の台風被害

棟瓦の被害

 

屋根面の接合する部分である『棟(ムネ)』が、板金やその下の木材が劣化しているのもあり、風に煽られ外れて飛んでしまっています。

和瓦の棟も同様です。
瓦は屋根材としては重い方で、瓦1枚の重さは約3kgとも言われています。重たい瓦も台風にかかればこうも吹き飛んでしまうのです。人に当たってしまったら大変なことになってしまいます。

 

カーポートの台風被害

カーポートの台風被害

サイクルポートの被害

家屋の屋根以外にも、カーポートの屋根などが飛ばされる被害もありました。
材質に関わらず、強風によって屋根材が落下や飛散してしまったということは、それがどこまで行ってしまったのか、何かにぶつかってしまわなかったか、ご近隣の方にまで危害を与えていないだろうか…。考えるととても怖いものです。

フェンス・塀の台風被害

塀の台風被害

フェンスの台風被害

フェンスがなぎ倒されたり、フェンスや竹垣が強風に煽られてその下のコンクリートブロックや大谷石の塀ごと道路側やお隣様側に崩壊してしまった現場もあります。この他にも、アンテナや雨樋、波板、物置などの被害も多くありました。

 

定期的なメンテナンスを!

いつ発生するか分からない台風や強風などの天災に備えて、屋根のメンテナンスは定期的に行うことが大切です。

屋根が飛びやすい状態は定期的なメンテナンスで改善できます!

スレート(コロニアル)屋根は築7年を過ぎたら点検して、棟板金を固定する釘打ちコーキング工事や、屋根材の反りを防ぐ塗装工事を行ないましょう。

耐久性の高い和瓦や軽量瓦、金属屋根も、瓦がズレて破損してしまう可能性がありますので、5~10年おきに点検をして、補修が必要な状態の場合は補修工事を行なっていきましょう!

あなたの家族と家を守るため、そして通行人や近隣の家に迷惑をかけないためにも、防災意識の見直しが大切です。今一度、屋根の状況を点検していただき、必要に応じて修理しましょう。

 

エールハウスは1978年創業で、経験豊富な1級建築士や職人が多数在籍しております。家に関する台風のご不安にもお応えできますので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。横浜・藤沢・湘南エリアでリフォーム・リノベーション・新築をお考えの際は、お気軽にエールハウスまでご相談下さい!