皆様こんにちは。エールハウス藤沢店1級建築士の吉田です。
今回は断熱についてと和室に内窓を新設したお客様の施工例をご紹介致します。
断熱工事の種類
断熱性をよくする為の工事は様々な方法や工法がありますのでご紹介していきます。
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窓を高断熱窓に変える、内窓を付ける。
建物で一番熱の出入りが激しいのは窓と言われており、断熱工事の中でも一番費用対効果の高い工事と言えます。
現在では樹脂窓やアルミ樹脂複合の高断熱窓に交換する方法や樹脂製の内窓を設置することにより断熱性を高めることが可能です。
詳しくは以前のブログをご覧ください。https://yellhouse.jp/blog/2024garasuseinou/
2.壁、床、天井に断熱材を充填する。
建物の壁や床、天井に断熱材を入れることで建物の断熱性を高めることができます。
断熱工事で窓を高断熱の窓に交換することも効果的ですが、壁や床からももちろん空気の出入りはあります。
そこで壁や床、天井に断熱材を充填することでさらに建物の断熱性を高めることが可能です。
さらには充填する断熱材の種類にもよりますが、断熱材を入れることで外部からの騒音を軽減することもできます。
近年の新築では断熱材を入れることが標準となっており、リフォームでも天井や床の張替え時や浴室リフォーム時には同時に断熱材を充填する工事を行うことも多々あります。
またリノベーションや耐震工事等のスケルトンを伴う工事では特に断熱工事を合わせて行うことがほとんどで、建物の断熱性を上げることにより冷暖房効果も高くなり省エネにつながります。
その反面工事には壁や床の解体から復旧まで行う必用がある為、サッシ工事に比べ大がかりな工事となる為まずは開口部の工事から行う場合が多いです。
工事施工事例紹介
今回お客様からのご要望は、寒い和室の断熱性能を良くしたい。また、和室が全面道路側に面している為車の通る音などが気になるので防音性も高められれば、との事でした。
実際に現地調査をさせて頂くと、サッシはアルミサッシのシングルガラスで掃き出しの大きな開口であるため正直断熱性能はあまり期待できない状況でした。
壁は伝統的な真壁納まりの純和室でサッシには障子付きです。
今後も和室は残したいとの事でしたので既存和室の雰囲気を壊さず、なおかつ一番熱の出入りが激しいサッシ周りの断熱性能を上げる方法として今回は内窓設置をご提案させて頂きました。
内窓とは?
内窓とは既存窓の室内側にもう一枠樹脂サッシを設けることにより既存サッシと新規サッシの間に空気層ができ、断熱性能、気密性を向上することが可能な工事となります。
この内窓を取付けることにより窓の断熱性能を格段に向上することができ、なおかつ防犯性・防音性も高くなります。
それでは内窓のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
〇メリット
断熱性も向上
内窓を設置することにより既存の窓と新しい内窓の間に空気層を設けることにより室内空気が外部に流失するのを防ぐ断熱材の役目を果たす為室内の暖かい空気が外部に流失する量が少なくなります。また、アルミよりも熱を伝えにくい樹脂製の為アルミサッシよりも外部の熱を伝えにくい素材になっております。
結露がしにくくなる
結露は外気により冷やされたガラスや枠が室内の空気に触れることにより空気中の水分が水滴となる現象ですが、前述した空気層があることにより外気温の影響を受けにくくなり結露がしにくくなります。
地域や環境により結露してしまう場合もございます。
遮音性がよくなる
空気層の働きは断熱効果だけでなく音にも有効で空気層があること、サッシ周りの気密性が上がることにより外部の騒音の侵入と室内の生活音を外部に漏れるのを防いでくれます。
防犯性の向上
以前のブログでもご紹介しましたが、空き巣等の侵入窃盗での侵入箇所の半数は窓からの侵入となっており、無施錠の侵入の次にガラス破りが多い結果ですので窓が二重になる内窓設置は侵入者にとっては侵入のしにくい窓となります。
また、場合によっては防犯ガラスもお選びできる為、防犯性重視の方にはお勧めです。
工事費用
内窓は解体等を必要とせず付帯工事が少ないので窓交換に比べると早く、安く施工し断熱効果を得られる工事となります。
〇 デメリット
窓開閉の手間がかかる
サッシが二重になる為当然開閉の手間は2倍になってしまいます。
掃除がしにくい
掃除もしにくくなります。特に内窓と既存窓の開閉を考えながら上手くお掃除する必要がある為お掃除が億劫に感じてしまう場合があります。
部屋が狭く感じる場合がある。
内窓を設置すると、今まで窓枠だった部分に新しい窓が内側に設置されますので多少圧迫感を感じ、視覚的に狭く感じる場合があります。
掃出し窓だと敷居が立ち上がってしまう。
こちらに関しては掃き出しの段差のない窓に限ってのことですが、内側に取り付ける為敷居(床側のレール)に段差ができてしまい、今までフラットだった床から段差ができてしまいます。
上記のメリット・デメリットはありますが、内窓設置は費用対効果の高い工事で比較的簡単に低コストで断熱効果が期待できますので工事も取付け箇所数にもよりますが半日から1日ほどでの施工が可能な為お忙しい方にもおすすめの工事です。
実際の工事
今回はLIXIL インプラスを取付けさせて頂きました。
インプラスでは和室に最適な障子のような外観の和紙調で、格子の入ったガラスをお選び頂けますので和室の雰囲気を崩さず、障子よりも断熱効果の高い内窓を設置することが可能です。
工事後お客様も見た目に違和感なく暖房の利きも良くなり、全面道路の騒音も聞こえなくなったと喜ばれておりました!
断熱や防音にお悩みの方、ぜひ一度ご相談ください。
- 選定品 : LIXIL インプラス ニュートラルウッド
- ガラス : 和紙調複層ガラス 格子入り
- オプション Low-Eフィルム、アルゴンガス封入
エールハウスでは、建築士、インテリアコーディネーター、また整理収納アドバイザー1級、住宅収納スペシャリスト等の住まいに関わる資格を持った女性スタッフがおります。横浜・藤沢・湘南エリアでリフォーム・リノベーション・新築をお考えの際は、お気軽にエールハウスまでご相談下さい!