屋根工事のタイミングが分かる!屋根の種類と耐用年数

 みなさん、こんにちは! エールハウス社長、一級建築士・宅地建物取引士の伊丹です。

 住宅の置かれる環境は非常に過酷です。夏場の日射や冬場の寒さ、そして積雪や酸性雨などの影響を考えれば、それが納得が出来ると思います。そして、その様な条件の中にあって、屋根は最も悪い条件が重なっていると考えられます。夏場の日射をダイレクトに受けるのが屋根ですし、雨水の影響を受けるのも屋根です。更には積雪や風災などもあります。

 そこで疑問になるのが、屋根材の耐用年数と屋根工事のタイミングです。ここでは屋根材の種類と特徴、そして屋根工事のタイミングなどについて解説します。

1.屋根材の種類と耐用年数

 まずは主な屋根材と耐用年数について取り上げてみましょう。

(1)瓦

 瓦は昔ながらの素材で耐久性が非常に高いです。土を焼いて作るため、耐火性や断熱性に優れます。耐用年数は50~80年にもなり、他の建材よりも非常に長いです。しかも他の屋根材と違って塗装の必要がありません。

 ただし、防風などでズレが発生することや、他の屋根材よりも重量があるため、建物が地震に弱くなるデメリットがあります。

こちらは綺麗なかわらU

(2)セメント瓦

 セメント瓦はセメントと砂から作る瓦で、耐火性や遮音性などに優れます。土を焼いて作る瓦と違い、耐用年数は30~40年と短いのですが、コスト面で安くなるメリットがあります。

 ただし、この瓦も防風や地震にあまり強くはありません。そして定期的な塗装が必要です。

(3)スレート

 スレートはセメントと繊維素材から作る屋根材で、軽くて価格が安く、デザイン性が高いのが特徴です。また、軽量であるため、瓦屋根の建物よりも全体の重量を落とすことが可能です。そのため、地震に強い建物とすることが出来ます。耐用年数は20~25年くらいです。

 尚、スレートにもデメリットがあります。スレートは衝撃にはあまり強くは無く、塗装のメンテナンスも必要です。

丈夫で長持ち、スレート材

(4)トタン

 トタンは亜鉛メッキをした鉄板の屋根材で、コストパフォーマンス性に優れています。耐用年数は10~20年くらいです。

 デメリットとしては腐食しやすい点と断熱性が無い点です。スレートなどよりも性能的に引けを取るため、最近ではトタン屋根は少なくなっています。

 

(5)ガルバリウム鋼板

 ガルバリウム鋼板はトタンと同様の金属屋根素材ですが、トタンよりも高性能のメッキを掛けてあり、腐食に強いのが特徴です。耐用年数はトタンよりも長く、30年くらい使えます。また、ガルバリウム鋼板は軽量の素材のため、自身に強い建物とすることが出来ます。ただ、トタン屋根と同じ様に断熱性が無く、夏場などは室内が暑くなってしまいます。

 

 

2.屋根工事のタイミングは?

 ここで屋根工事のタイミングについて取り上げてみます。工事は塗装、葺き替え・重ね葺きがメインです。

(1)塗装の場合

 塗装は基本的に、スレートやガルバリウム鋼板の様な金属屋根が対象です。屋根の塗装は使う塗料によって耐用年数が違います。そのため、屋根工事は塗装の耐用年数からタイミングを決めます。

 主な塗装の耐用年数は概ね次の通りです。

 

・シリコン系塗装:10~13年

・フッ素系塗装 :15~20年

・無機系塗装  :20年以上

 

 費用はシリコン系が最も安く、順にフッ素系、無機系の順に高くなります。

 尚、経済性から考えると、シリコン系の様な安価な塗装をした方が初期コストを抑えることが出来るのですが、安価な塗料は耐用年数も短いです。そのため、逆にコストを掛けても耐用年数の長い塗装を掛けた方が、再塗装が少なくなるので、トータルでのコストダウンが可能となる場合があります。

(2)葺き替えの場合

 葺き替えは屋根材の耐用年数によって変わります。ですから、トタンなどの場合は10~20年くらい、スレートの場合は20~25年くらいが目安です。

 ただし、条件にもよりますが耐用年数より前に痛みが激しくなる場合もあり、その場合は葺き替えが必要となります。

(3)カバー工法について

 屋根の傷みが著しくなった場合には、屋根を交換するよりも、現状の屋根の上を新たな屋根で覆う方が安くなる場合があります。この工法をカバー工法と呼びます。

 カバー工法のメリットは費用が安く工期が短いこと、そしてアスベストなどを使った屋根にもリフォームが可能なことなどがあります。デメリットとしては、耐震性の点で不利になる場合があることです。

 尚、カバー工法には対応が難しい屋根があります。例えば瓦屋根などには施工が難しいです。

3.雨漏りの際の屋根工事は火災保険の適用になる?

 火災保険の補償は火災発生の場合だけでなく、意外と様々なアクシデントに対応しています。そのため、火災保険で修理費用を捻出することも可能です。屋根のトラブルも火災保険で修理が出来る場合があります。

 ただ、火災保険はどの様なトラブルにも対応している訳ではありません。一般的には自然災害による破損には限定され、経年劣化やリフォームには補償外になっている場合が多いです。

 いずれにせよ、火災保険はケースバイケースなので、契約内容をしっかりと確認しておく必要があります。

4.まとめ

 屋根工事は現状の屋根材の仕様を知ることが的確な対応に繋がります。そのため、屋根の工事はプロの診断と対応が必要となります。

 また、屋根は高所であるため危険なため、経験豊富な業者への依頼が確実です。

 

 横浜、藤沢、湘南の地域で屋根工事を検討する際にはエールハウスまでご連絡をください。住宅のプロがしっかりと対応します。

 

 横浜・藤沢・湘南エリアでリフォーム・リノベーション・新築をお考えの際は、お気軽にエールハウスまでご相談下さい!

 

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