増え続ける空き家! ホームインスペクション(住宅状況調査)の重要性

こんにちは!一級建築士の伊丹です。11月も終わりに近づき、だいぶ寒くなってまいりましたが、みなさま体調はいかがでしょうか?

 さて、今回は先月に私が講習を受けてまいりました『ホームインスペクション(建物状況調査)』についてご案内いたします。

 増え続ける空き家! ホームインスペクション

『ホームインスペクション』とは、英語の『ホーム(家)』+『インスペクション(調査)』から名前がきており、既存の住宅の調査をすることです。ご存知の通り、高齢化社会になるにつれ、空き家が増大しております。そのような背景もあり、中古住宅の流通を増やしたいところですが、中古住宅の場合、「隠れた不具合があるかの心配」「耐震性や断熱性に対する不安」などもあり、なかなか中古住宅の流通が進まないのが現状です。

そこで、それらの不安や心配を取り除くために『ホームインスペクション』という制度が出来ました。今後は不動産を売買する際には、仲介業者がホームインスペクションを行なうか否かを売主または買主に話をしないといけなくなったのです。現状はホームインスペクションするかしないかは売主または買主が選択できますが、買主からみるとホームインスペクションをしてある物件のほうが安心できると思いますし、近い将来にはホームインスペクションを行なうのが当たり前になってくると予想されております。

ホームインスペクション

ちなみに、誰でもホームインスペクションを仕事として行なえるわけではなく、建築士の資格を有した人のうち『既存住宅状況調査技術者講習』を受講し、その後の修了考査に合格した人でないと、業としては行なうことは出来ません(一級、二級、木造建築士によって、調査出来る建物の規模は異なります)。建物の専門家が調査を行ない、調査報告書を発行します。不動産売買の際に、仲介業者は調査報告書を買主に説明し、買主は建物の質を踏まえたうえで購入判断が出来るというわけです。

 ホームインスペクションの調査項目

調査項目としては木造の場合、『建物の構造上主要な部分』に係る調査(基礎、土台及び床組み、床、柱及び梁、外壁及び軒裏、バルコニー、内壁、天井、小屋組み等)や、『雨水の浸入を防止する部分』に係る調査(外壁、軒裏、バルコニー、内壁、天井、小屋組み、屋根等)があります。いろいろ専門的な名称もあって分かりにくいかもしれませんが、要するに建物にとって重要な部分を調査するということです。

 

家を売却しようと考えていて調査報告書があったほうが売却しやすいのではないかとお考えの方、家を購入しようと思っているけど建物が大丈夫か不安な方、または仲介業者様でホームインスペクション業者をお探しの方、是非お気軽にお問い合わせください。

増え続ける空き家! ホームインスペクション