みなさん、こんにちは! エールハウス社長、一級建築士・宅地建物取引士の伊丹です。
突然、訪問販売業者がやってきて「おたくの外壁、塗り替えないと危ないですよ」などと言われた経験はないでしょうか。「まだ大丈夫そうだけど、本当に?」って疑いたくなりますよね。
さて、外壁はどんなタイミングで塗り替えたらいいのでしょうか?はたまた、どれぐらいの費用がかかるのでしょうか?今回は「外壁塗装をするタイミング」や「工事費用の相場」について詳しくお話しようと思います。「そろそろ外壁塗装をしなきゃ」とお考えの方は、参考にしてください。
そろそろ塗り替えが必要?外壁塗装をするタイミングの目安
家の外壁はどんなタイミングで塗り替えたらいいか、ご存知ですか?建築会社のアフターサービスで「塗り替え時期にきている」と指摘されて気づく方が多いかもしれませんね。
じつは、外壁の塗り替え時期はセルフチェックできます。さっそく、そのタイミングの目安についてご紹介していきますね。
塗料の種類ごとの耐用年数の目安
外壁塗装で使う塗料には、耐用年数があります。ですから、現在どのような塗料で塗装されているかわかれば、おおよその塗り替え時期がわかります。
塗料は主にその主成分である樹脂の種類によって耐用年数が決まるので、樹脂の種類ごとに表にまとめてみましょう。
樹脂の種類 |
耐用年数 |
一般的な特徴 |
アクリル系樹脂塗料 |
5~8年 |
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ウレタン系樹脂塗料 |
7~10年 |
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シリコン系樹脂塗料 |
10~15年 |
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フッ素系樹脂塗料 |
15~20年 |
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ちなみに、塗料は以下のものを混ぜ合わせて作ります。
- 樹脂(耐用年数に影響する)
- 顔料(色を付ける材料)
- 添加物(機能を付加する材料)
樹脂の種類ががわかれば塗り替え時期の目安もわかるので、参考にしてみてください。(添加物も塗料の耐用年数に影響します)
既存の住宅の外壁には、ウレタン系樹脂塗料やシリコン系樹脂塗料がよく使われています。ですので、耐用年数はおおむね「10年」です。
お住まいの外壁にどんな塗料が使われてるかわからない方は「10年過ぎたらそろそろ塗り替えどき」とお考え下さい。
こんな症状が出たら注意!塗り替え時期の目安
家は、それぞれ建っている環境が違います。紫外線が強い場所もあれば、年中日陰の場所もあります。東京湾や相模湾に面した地域は、ずっと潮風にさらされています。
ですから、同じ樹脂系の塗料を使っていたとしても環境しだいで経年劣化の速度が変わります。外壁塗装より屋根塗装の方が劣化しやすいのも、風雨や紫外線によるダメージ量が違うからです。
そこで目安にしたいのが、塗り替え時期のサインです。以下の表に代表的な劣化症状をあげますので、参考にしてください。
劣化症状 |
症状が出る外壁の種類 |
対応 |
汚れ |
モルタル サイディング |
経過観察 |
ヘアクラック (塗膜に細いヒビが入る) |
モルタル サイディング |
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苔・藻・カビが生える |
モルタル サイディング |
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チョーキング(白化) |
モルタル サイディング |
塗り替え時期 |
白サビ・赤サビ |
金属系サイディング |
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塗膜の剥がれ・膨れ |
モルタル サイディング |
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シーリングのひび割れ |
サイディング |
修繕が必要 |
クラック (外壁材のひび割れ) |
モルタル |
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外壁自体の変形 |
モルタル サイディング |
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雨漏り |
モルタル サイディング |
塗料の塗膜が劣化すると、顔料が露出してチョーキング(白化)を起こします。指でこすると白い粉が付く現象で、塗り替え時期の目安になります。
外壁塗装の相場
つづいて、外壁塗装の工事費の目安をご紹介します。
外壁塗装で使う塗料は、下塗り・中塗り・上塗りと3回塗りで仕上げるものが多いです。先述した「◯◯樹脂系塗料」は中塗りや上塗りで使います。
下塗り塗料は、下地(塗装面)の状態や中塗り・上塗り塗料との相性で決めます。3回塗りの塗料価格の相場は、おおよそ以下のようになります。
塗料の種類 |
参考価格 |
アクリル樹脂系塗料 |
1,400~1,600円/㎡ |
ウレタン樹脂系塗料 |
1,700~2,200円/㎡ |
シリコン樹脂系塗料 |
2,300~3,000円/㎡ |
フッ素樹脂系塗料 |
3,800~4,800円/㎡ |
外壁塗装工事では、塗装以外にも以下のような付帯工事が発生します。工事費用の総額は、この合計で考える必要があります。
- 足場設置
- 養生
- 高圧洗浄
- バルコニーの防水塗装
お住まいの形状や外壁の状態にもよりますが、外壁塗装の工事代金の目安は「建坪25坪で70万円~」です。
なお、外壁塗装では屋根塗装も一緒にされるケースが多いです。日を改めて屋根塗装だけすると、余分な足場代がかかってしまうからです。
これからやる工事のことだけでなく、その次の工事のことも考えて外壁塗装と屋根塗装の耐用年数を合わせておくことも大切です。
外壁塗装をするメリット
つづいて、外壁塗装のメリットをご紹介します。
外壁塗装のメリット
塗料は、外壁材を美しく見せてくれます。それから、風雨や紫外線から外壁を守るのも塗料の役目です。
ですから、色あせたり機能を失った塗料を塗りなおすと以下のメリットがあります。
- 外観がきれいになる
- 塗料による外壁の保護力が回復する
ちなみに、一般的な住宅に多い外壁材は以下の2つです。
- モルタル
- 窯業系サイディング(成分はセメントと繊維質)
どちらの外壁材も、そのままでは雨水が染み込んだり紫外線で劣化します。ですから、塗装で守る必要があります。
長期間、外壁材の性能を保ち続けるためには、定期的な塗装が必須です。
外壁塗装をしないと、どうなる?
外壁塗装のメリットをご紹介しましたが、ずっと塗装せずに放っておいた外壁はどうなると思いますか。
塗り替え時期にきている外壁をそのまま放置すると、以下のようになります。
- 紫外線や風雨にさらされた塗膜が劣化
- 外壁材が塗料で保護されていない状態になる
- 外壁自体が劣化する
- 家の内部まで雨水が侵入し構造材が腐朽する
- 多大な修繕費用がかかる
塗料の塗膜が劣化しただけでは切迫した状況にならないので、つい放置してしまいがちです。ですが、そのまま外壁がダメージを受け続けると変形や雨もりなどの大事に至ります。
ですから、外壁や屋根の塗り替えはとても大事なメンテナンスのひとつなのです。
外壁のことで何かご不安があれば、大事になる前に一度点検されることをおすすめします。
弊社もお見積もりまで無料で実施しております。お気軽にお問合せくださいませ。
外壁塗装の助成金
最後に、外壁塗装の助成金について簡単にご紹介します。
リフォーム助成金制度の概要
自治体によっては、外壁塗装に対して助成金制度を設けています。受給するには、条件を満たしたうえで所定の手続きを行う必要があります。
助成金制度には受給期限があり、期限内であっても予算に達した時点で終了となります。
外壁塗装工事のご予定があるなら、お住まいの自治体が助成金制度を設けていないか確認してみましょう。
助成金制度の種類
外壁塗装工事でも受給できる助成金制度には、どんなものがあるかご存知ですか?
外壁塗装工事は、リフォーム工事全般で使える助成金制度の対象になります。助成の種類が3つあるので、まとめてみますね。
定額助成 |
工事の金額に関わらず、一定額を助成する |
割合助成 |
「工事金額の5%(最大5万円)」のように一定割合を助成する |
融資の利息補助 |
金融機関の融資を受けてリフォームする場合、利息分を補助する |
なお、省エネリフォームを対象とした助成金制度も対象になることがあります。
外壁塗装工事で省エネリフォーム助成金を受給したい場合は、高日射反射率塗料や遮熱塗料を使うことが要件になります。
助成金が交付される条件
助成金が交付される条件は、各制度によって違います。自治体のホームページで確認できるので、受給したい方は工事前に確認しておきましょう。
以下は、条件の例です。
- 助成金を設けている自治体内にある住宅
- 助成金を設けている自治体に住民登録している人
- 申請者が対象住宅に居住している(新築は除く)
- 市税や町税の滞納がない人
- 工事請負業者が自治体内にある
お住まいのエリアの助成金を調べる方法
お住まいの自治体に助成金制度があるかどうか調べるなら「一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会」のホームページが便利です。
参考:地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト
そもそも助成金制度自体が少ないので、もし見つけたら必ず利用しておきたいところです。
たとえば、弊社の施工エリアでしたらこんな助成金制度がありますよ。(2020年4月現在)
外壁塗装工事のことでお悩みでしたら、お気軽にエールハウスにお問い合わせください。
横浜・藤沢・湘南エリアでリフォーム・リノベーション・新築をお考えの際は、お気軽にエールハウスまでご相談下さい!