居住しながらの2階部分減築工事~前編~

こんにちは。湘南店、一級建築士の後藤です。

花粉が辛い時期が続きますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。

さて、今回は減築工事の事例をご紹介させて頂きます。

 

「減築」とは、建物のリフォームや改築の時に「床面積を減らすこと」をいいます。

減築イラスト

いわゆる「増築」の対義語として使われている言葉です。具体的には、2階建て以上の住宅で階数を減らしたり、使用しなくなった部屋を丸ごと取り払う、といった工事はすべて「減築」にあたります。

※国土交通省 国土交通政策研究所  減築による地域性を継承した住宅・住環境の整備に関する研究より

特に、高齢の方が暮らすお住まいや、お子さんが自立して子供部屋が不要になったご家庭などで、減築リフォームを実施する方が増えています。

 

工事のきっかけ

今回の工事のきっかけは、「木造住宅耐震診断士」である私が、公的に派遣されてお施主様のお宅へ無料耐震診断を実施したことです。

こちらのお宅は、診断で『評点0.7未満:倒壊する可能性が高い』との結果となりました。

診断後しばらくしてからお客様よりご連絡をいただき、診断結果が良くなくて心配なので、引き続き耐震改修を考えたいとのお話しでしたので工事をさせて頂くことになりました。

 

お施主様のご要望

耐震診断の結果をふまえて、耐震改修を行うことになりました。

①家族構成の変化に伴い使っていない部屋もあり、2階の部分を減築し、平屋にしたい。

②親の代からの愛着ある住まい。住みながら工事したい。

③今までの瓦屋根は荷重が重いので地震の時心配。新しい屋根は瓦の形だけれど、軽いものがよい。

 

現状

減築するお宅は、元は平屋建てで、20年ほど前に2階部分を増築されていました。したがって、2階部分には通し柱が無い為どうしても耐震的に弱い構造でした。

今回の工事では、また平屋建てに戻すという事になります。

元平屋時立面図

2階増築後立面図

家族構成の変化により一度は二世帯住宅になり、子供たちが独立後、使わなくなった2階部分を撤去する。お施主様のご希望は、耐震的、防犯的、維持管理の軽減など安心して暮らしたい、そして住み慣れた現在の住宅にそのまま住み続けられることでした。

既存写真

既存写真

 

エールのご提案

  • 1階に住みながら2階部分の減築をする。
  • 屋根材は軽い金属板を採用しながら、以前の建物の趣を損なわない風格のある外観にする。

 

工事スタート

瓦降し

 まず初めに2階屋根の瓦を降し、取り壊す2階部分を軽くします。

瓦卸し

一枚一枚、職人が瓦を降ろしていきます。

瓦卸し作業

瓦卸し作業

瓦卸し作業

大量の瓦が降ろされました。相当な重量です。

全て瓦が降ろされ、古い防水紙と野地板が見えてきました。

古い防水紙と野地板

新しい屋根ができるまで、しばらくはブルーシートをかけて雨風をしのぎます。

 

 

2階内部解体

次は2階内部の解体です。

天井が壊され、小屋組みがあらわになりました。

2階小屋組み

和室の長押が取られ、跡が見えます。ベニヤの壁は押入だった部分です。

解体中

天井の次は、壁部分の解体です。

壁解体

間仕切り壁が取り払われました。

残りは主要な柱と外壁の下地のみとなりました。

間仕切り解体

間仕切り解体

雨戸やサッシも取り払われます。

開口部解体

廃材などはクレーン車を使って降ろしていきます。

クレーン作業

 

次はいよいよ新しい1階の小屋組みです。

この続きは、減築工事の後半でお届けいたします!お楽しみに♪

 

エールハウスでは、建築士、インテリアコーディネーター、また整理収納アドバイザー1級、住宅収納スペシャリスト等の住まいに関わる資格を持った女性スタッフがおります。横浜・藤沢・湘南エリアでリフォーム・リノベーション・新築をお考えの際は、お気軽にエールハウスまでご相談下さい!

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