こんにちは!二級建築士の田渕です。建築の世界に入って、早くも20年以上経ちます。今まで得た知識を活かして、お客様のお役に立つ情報をお届けいたしますので、よろしくお願いいたします!
さて、今回ご紹介するのは、「ヌック」についてです。
聞いたことありますか?
「ヌック」とはスコットランド語で「neuk(温かく心地良い場所)」が語源で建物の一部で特別に造られた小規模の部屋のことをいい、「居心地の良いこじんまりとした場所」と呼ばれています。
【居心地の良いこじんまりとした場所】
ヌックを設計に取り込むメリットは?
1.居心地のよい空間
こぢんまりとした空間で、家族がゆるやかにつながり、ほどよい距離感も生むことができます。また、家族の気配を感じながらひとりの時間を楽しめるため、リラックスできる場所としても人気があります。
2.空間にメリハリをつくれる
建物の一部で特別に造られた小規模な部屋であるため、空間に立体的なメリハリをつくることができます。広いリビングでも、一角に小さな小上がりやベンチを設けたヌックをつくれば、立体感が出ます。
3.多目的に使える
さまざまな目的で使える空間です。たとえば、造作のデスクがあればテレワークスペースや書斎、趣味のスペースになります。また、リビングの一角にヌックをつくればキッズスペースに最適です。洞穴や秘密基地のような空間は、子供の好奇心をかき立てます。
4.おしゃれな間取りを演出できる
狭いスペースだからこそ心地良さを感じる方が多くいます。また、日本ではヌックがある家は珍しいため、個性的で洗練された印象を与えることができるかもしれません。
5.空間を有効活用できる
階段下や廊下などデッドスペースになりがちな箇所を有効活用してヌックをつくることができます。階段下は天井が低いため、洞穴のようなおこもり感を演出できるのも魅力です。
ペットにとっての居心地の良い空間つくりもいいですね!
ヌックを設計に取り込む時の注意点とは?
- 費用:ヌックを設置するにはそれ相応の費用がかかります。工事費や材料費に加えて、場所によっては換気設備や空調設備、採光窓、照明などの設備も必要です。費用とのバランスを見て、本当にヌックが必要か見極めてから取り入れるようにしましょう。
- 面積:ヌックを取り入れることで、居室が狭くなったり収納が足りなくなったりする場合があります。間取りを考えるときには家全体のバランスを見て、ヌックをつくることで居室が窮屈にならないか、収納にする必要はないかを確認するようにしましょう。
- 床の高さや素材:設置する際は、床の高さや素材を変えて、他のスペースとは線引きがあることを意識できるようにしましょう。ヌックにはドアがなく、どの部屋にも属さないような緩やかな存在です。たとえリビングとつながっていても、リビングではないヌックにいるのだという気持ちになる空間にしましょう。
- 空気の流れや室温:空気の流れや室温を考慮することも大切です。換気設備や空調設備を設置することで、快適な空間をつくることができます。
- デッドスペース:階段下や廊下などデッドスペースになりがちな箇所を有効活用してヌックをつくることができます。階段下は天井が低いため、洞穴のようなおこもり感を演出できるのも魅力です。
以上の点に注意すれば、快適で居心地の良いヌックをつくることができます。
如何でしたか?はじめて「ヌック」という言葉を聞いた方もいらっしゃると思います。夢のマイホームやリフォーム・リノベーションで取り入れてみてはいかがでしょうか?少しでも参考になればうれしく思います。
エールハウスでは、建築士、インテリアコーディネーター、また整理収納アドバイザー1級、住宅収納スペシャリスト等の住まいに関わる資格を持った女性スタッフがおります。横浜・藤沢・湘南エリアでリフォーム・リノベーション・新築をお考えの際は、お気軽にエールハウスまでご相談下さい!