皆様、こんにちは。エールハウス藤沢店スタジオ、二級建築士の新井田です。
今回は、藤沢市在住のお客様より、床が抜けそうで怖いということでご相談をお受けし、調査・工事させて頂いた事例をご紹介させていただきます。
現地調査
お客様からご連絡を受け、まずは現場調査及びヒアリングにお伺いしました。
上の写真がお客様宅の玄関ホールの床ですが、お手入れの行き届いたきれいなバンブーフローリング(竹材)の床でした。
バンブーフローリングとは?
バンブーフローリングとはその名の通り竹のフローリングです。竹は強度が高く、弾力性がある為、衝撃吸収力、耐荷重力が木フローリングより高いのが特徴です。また、傷に強いことも竹の特徴です。
竹の種類によっては抗菌性、消臭性など優れたものもあります。デメリットとしては価格が高価になりがちな点や、割れなどが発生する場合があります。
定期的にお手入れされているとのことで、張り替えるのはもったいないくらいにきれいな見た目でした。
しかし歩いてみると、階段の付近や普段よく踏む箇所は、沈みが発生してしまっています。 実際に沈む箇所を歩くと、今にも抜けてしまいそうなほど沈んでしまいます。
廊下を移動する際などにつまずいてしまう危険性もあるので、今回は床の張り替えをご提案致しました。
プランニングポイント
今回の工事でポイントとなる部分は、根太が腐食しているのか、それともフローリングのみが傷んでしまっているのかです。
根太が腐食している場合は、床を落として新しく根太を組む必要があります。しかしフローリングのみの傷みであれば床を壊さず重張りで済ませることも可能です。フローリングのみの傷みの場合でも、根太から組み替えることもできますので、ご予算・今後のお住まいの状況にあった工事をご検討いただくことが可能です。
今回点検したところ、根太はしっかりしていたのでフローリングのみの傷みでした。お客様と綿密にお打ち合わせをし、10年後に売却などもご検討されているとのことでしたので、今回は根太の組み直しはせず、重張りで工事させていただくことになりました。
工事スタート
【床材の選定】
既存の床は直貼り工法になりますので、根太に直接フローリングを張っています。
しかし現在の工法ですと、捨て貼り工法が一般的で、フローリング材も捨て貼り工法用の床材が大半を占めています。
※上記に関しては、『新井田の床ブログ』にて詳しく紹介しておりますので、そちらをご参照下さい。
にいだの床ブログ ~vol.3~【フローリングの施工方法・お手入れ方法】
今回は12mmのフローリング材の上から重ねて12mmのフローリングを張る為、捨て貼り工法の床と同じ厚みとなりますが、既存の床の傷みが激しいので、捨て貼り工法よりも強度はおちてしまう可能性があります。そこで今回は、捨て貼り工法専用フローリングではなく、直貼り対応のフローリングをご提案させていただきました。
各メーカーさんの中から数少ないですが、販売されているフローリングの中でも、実績のある東洋テックスのDXシリーズを選定致しました。
【東洋テックス DXシリーズ】
こちらの床材は、根太の上に直接貼る直貼り工法対応の床材となっています。このフローリングの基材の合板は、7プライ合板を使用している為、強度が高く、直貼りでも問題なくご使用頂けます。
合板とは、薄くスライスした単板(単層の一枚板)の繊維方向を互い違いに何層かに重ねて接着して作られる平板のことを指します。また、プライとは何層のベニヤでできているのかを表示するための単位をあらわします。
このDXシリーズでうたっている7プライとは7層の単板を重ねて製造された合板ということです。5プライなら5層、3プライなら3層という形になっています。プライ(層数)は合板の厚みや規格により変わります。また層が多いほど強度が上がります。
通常の捨て貼り工法用のフローリングですと5~6プライが一般的です。また、大手床材メーカーのイクタさんからも直貼り工法用のフローリングが販売されていますが、厚みは13mmと1mm厚くすることで直貼りでも施工できる強度を確保しているのに対し、DXシリーズは合板の層を増やすことにより12mmでも直貼りできる強度を確保しています。
さて、このDXシリーズは天然銘木ナラ木の突板複合フローリングになります。強度・製品として優れたフローリングではありますが、既存のバンブーフローリングより見た目が一転してしまいますので、こちらのDXシリーズをご提案した時は木目を気にいっていただけるか不安でしたが、ナラ特有の「虎斑」(とらふ)模様も気に入っていただけました。
工事完了!
歩いても沈まない頑丈な床になりました。
工事後の写真です。
式台は既存のままですが、玄関框はリフォーム用の框を取付け、12mm高さを上げました。
こちらは階段との取合い部分の写真です。
フローリングを階段の側桁にぶつけてありますが、隙間がなく取り合い部も完璧です。
どんな大工さんでも手作業で行うため多少隙間ができてしまいます。基本的には隙間に床材と同色のコークボンドなどで隙間を埋め、境目が目立たないようにする場合がほとんどですが、今回はコークボンド不必要なほど完璧な納まりでした。これで安心して歩けるとお客様にご満足頂けました!
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