こんにちは、司法書士の伊丹真也です。
今回は、『相続」が『争続』とならないようにするための予防方法を簡単にご紹介します。
相続トラブルと聞くと、一部のお金持ちの話と考えている人も多いと思いますが、トラブルの多くは遺産総額が5000万円以下で、お金持ちのみの問題ではありません。
相続トラブルは、兄弟姉妹間でも発生します。ご近所で仲が良かった兄弟姉妹が、相続トラブルをきっかけに一切口を聞かなくなったりもします。このような事態を防ぐためにも、相続トラブルの予防をしておくことをおすすめします。
1.相続トラブルの事例
ケース(1) 遺産が実家の土地建物と、少ない預貯金のみ
これはよくあるケースです。実家は長男が引き継ぐ場合が多いですが、長男が実家をもらうと、他の兄弟姉妹は少ない預貯金を分けることになります。この場合、土地建物>預貯金となる場合が多く、長男以外の取り分が少なくなります。法定相続分は兄弟姉妹で均等なので、どうバランスを取るかが難しい問題です。
ケース(2)子どもがいない夫婦
子どもがいない場合、法定相続人はまず親となり、親が既に亡くなっている場合は夫(妻)の兄弟姉妹が相続人となります。
配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合、もともと疎遠であることも多く、話し合いがまとまらない場合も多いです。兄弟姉妹が既に亡くなっている時は、その子ども(おい・めい)が相続人となるので、さらに話し合いがまとまらないかもしれません。
ほかにも介護のために同居していた場合や、内縁の妻がいる場合など様々なケースがあります。
2.相続トラブルを回避するためには
(1)遺言書を作成する
遺言は法定相続より優先されます。遺言を残しておけば、相続人同士で話し合う必要はありません。ケース(1)の場合は、長男に実家を相続させることができますし、ケース(2)の場合は、すべての財産を夫(妻)に相続させることができます。
ただし、ケース(1)の場合は、遺留分に注意しなければなりません。
(2)財産目録を作成する
財産目録の存在により、被相続人の相続財産が明確になります。それにより、法定相続人同士で財産隠しを疑うこともなくなり、遺産分割協議もスムーズに進むケースが多いです。
財産目録には、財産の種類ごとに分けて、特定できるように記載します。
3.まとめ
相続トラブルの原因は様々ですが、事前にしっかりと対策をしておけば、防げるケースが多くあります。
「うちはそんなに財産もないし、大丈夫」、「兄弟姉妹、仲がいいからトラブルにはならない」などと考えていても、相続トラブルは発生しています。
遺言を残したり、財産目録を作成するなどの方法で、予防をしておくことを是非おすすめします。相続人同士でのコミュニケーションもとても大切です。普段から話し合う機会を設けるのも重要です。
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