いつも読んでいただきありがとうございます。エールハウス旭店、店長の小林です。私たちエールハウスの仕事は、お客様のお住まいをより便利に、より快適にすることです。
エールハウスに入社して約30年、たくさんのお客様から工事のご依頼をいただきました。今でも忘れられないお客様の出来事を、私なりの考えを添えてブログにしてみましたのでお付き合いください。
高齢者=バリアフリーとは限らない
以前工事をご依頼いただいたお客様は、高齢のお父様と同居をされていました。足腰が不自由なお父様でしたので、私は「バリアフリーしかない!」と思いプランを提案し、ご契約いただきました。そして工事が無事に完了。しかし、良かれと思ったことが実はお父様にとっては・・・私は「失敗してしまったぁ~」と後悔しました。
それは、高齢者=バリアフリーとは限らないと気づかされた瞬間でした。今まで何十年もの間、この段差に慣れてきたお父様から段差を“奪って”しまったのです。
お父様は今まで通り、その段差箇所ではつまづかないようにと足を上げ、足を着地させようとしますが、高さが変わってしまったため、膝から崩れ落ちてしまったのです。それも何回も・・・( ノД`)シクシク…
その経験をもとに、高齢者社会に適応する「バリアフリー」は、人それぞれ違った方法で提案すべきではないかと考えるようになりました。
これから歳を重ねることを前提に考えると、たくさんの障害に適応するためには色々な考え方があってもおかしくないのではないでしょうか。ケースバイケースではありますが、私はあえてその逆を取り入れてもよいのでは思います。全てを「バリアフリー」にするのではなく、デザインや用途によってはあえて「バリアアリー」を取り入れるのはいかがでしょうか。
「バリアアリー」で体力維持を
随分前に、なにかで「バリアアリー」という言葉を耳にしたことがあります。
ある高齢者施設では、階段の手すりの代わりに、あえて不安定なロープを張り、ロープを頼りに階段をのぼります。それによって、自分の力でバランスを取るようになります。
手すりに依存するようになると、手すりが無くては行動ができなくなるという作業療法士さんのお話がありました。「バリアアリー」とは、今出来ている事を維持させる体力に注目した言葉なのです。
ラクしたら動けなくなる
年配のお客様のトイレ工事の際に、「バリアフリー」をおすすめしたことがあります。しかし、お客様は段差のあるトイレを「今の状態を変えないまま、設備だけ新しくしたい。手すりもいらない。」とおっしゃってました。理由としては、「使い方、位置が今のままの方が慣れているし、足を上げるのも苦ではない。ラクしたら動けなくなるから」と。
ケガや病気など、「バリアフリー」にしなくてはいけない場合は除いて、今動ける、これからも動けるように、全部「バリアフリー」にするのではなく、場所によってあえて「バリアアリー」にしてみるのも、体力を維持し日々の生活の中で自然に筋肉や体を鍛えられる方法ではないでしょうか。
バリアアリーのままに
昔の玄関の「上がり框」は、最近の新築住宅よりもだいぶ高さがありました。上がり框の段差を低くすれば、靴を脱ぎ履きする時もラクになります。しかしそれに体が慣れてしまうと、足を上げるといった筋力が低下し、ちょっとした段差にもつまずいてしまうことが考えられます。
体がまだ丈夫なうちは、足を持ち上げるくらいの高さにあえてする。
それでも段々と辛くなってきたら、
- 玄関に腰掛けの椅子を置き、ワンクッションおいて框に上がる
- ゆくゆくは手すりを取り付けられるように、壁に下地処理をして、手すりを必要とした時には即座に取り付ける
など、先のことを考えることも大事だと思います。
おしゃれに、筋力維持を
LDKのワンフロアも広々として素敵ですが、段差をつけることによっておしゃれな空間にもなります。知らず知らずのうちに足腰は強くなります。
おしゃれに、手すりの役割を
トイレや浴室には、よく手すりを取り付けることが多くなってきています。二世代でお住まいだったご家族は、手すりを使わなくなった時、手すりがタオル掛けになり、見た目がかっこ悪いとのお話が出たこともありました。
見た目も気にしたい場合、トイレの手摺には、ペーパーホルダーに手をついても大丈夫な立座ラク棚付きの商品もおすすめです。手すりに見えないのに、うっかり手をついても安心です。
スタッフブログ【プロが選んだトイレのオプション3選!】でもご紹介してます♪
浴室は滑りやすく危険な場合もあります。Panasonicのシステムバス『リフォムス』なら、「おきラク手すり」でつかみやすく、収納も兼ねる。今はもちろん、先のことも考えた便利でおしゃれな手すりです。
各メーカーで浴槽のふちをつかみやすくする工夫をした商品もありますので、エールハウスホームページのスタッフブログ、またはYouTubeでくわしく説明していますので、合わせてご覧ください。
家の中は「バリアフリー」でも、外の世界はまだまだ段差や不便なことだらけです。段差があることは決して悪いこと、不便なことではないと私は思います。これからも自分でできることは自分で、自由に行動したいものですね。
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