こんにちは、経理の伊丹淳一です。
第7回目の「知ってトクする住宅に係る減税制度」は、住宅の投資型減税(借入金の有無を問わない減税制度)として、第6回に引き続き「中古住宅の改修工事を行った場合の所得税の特別控除」のうち、「バリアフリー改修工事」を行った場合の減税制度についてご紹介します。
1.制度の概要
高齢者や要介護・要支援認定者、障がい者本人または、それらの人と同居する人が自ら所有し居住する住宅の一定のバリアフリー改修工事を行い、平成21年(2009年)4月1日から2021年12月31日までに自己の居住の用に供した時は、次の金額がその年分の所得税額から控除されます。
2.適用要件
(1)次の①~④のいずれかの者が自ら居住する住宅であること
①50歳以上の者
②介護保険法に規定する要介護又は要支援の認定を受けている者
③所得税法上の障がい者である者
④65歳以上の親族又は②もしくは③に該当する親族のいずれかと同居している者
(2)自己が所有する家屋についてバリアフリー改修工事をして、平成21年(2009年)4月1日から2021年12月31日までの間に自己の居住の用に供していること。
(3)バリアフリー改修工事の日から6か月以内に居住の用に供していること。
(4)その年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること。
(5)バリアフリー改修工事に係る標準的な費用の額が50万円を超えるものであること
(6)一定のバリアフリー改修工事であること
3.特別控除額
・実際の工事費用の額
・バリアフリー改修工事に係る標準的な工事費用相当額
のいずれか少ない方の金額(その金額が200万円を超える場合には200万円)×10%
※1その工事費用の額に含まれる消費税等が8%又は10%でかかっているものに限られます。それ以外の場合には150万円となります。
4.適用除外
高齢者等居住用改修工事等を行った特定居住者が、その年の前年以前3年以内に行った高齢者改修工事等についてこの税額控除の適用を受けている場合には、その年においてはこの税額控除は適用されません(平成26年4月1日入居分より適用)
5.申告手続き
この制度の適用を受けるには、確定申告書に
①その控除に関する明細書
②増改築等工事証明書
③登記事項証明書
を添付して提出する必要があります。
6.さいごに
総務省統計局の「人口推計」資料によると、65歳以上の高齢者の人数は3,557万人、総人口のうち28.1%を占め、人口、割合ともに過去最高となっているようです。今後も増加は続き、2040年には35.3%、約3人に一人以上が高齢者となる見込みのようです。当ブログでも介護保険を利用したバリアフリー改修工事についていくつか紹介しておりますが、50万円以上の一定のバリアフリー改修工事を行った場合、所得税額の減額制度を受けられる可能性があります。今後、大規模なバリアフリー改修を行う事が多くなると思いますが、当制度を利用して少しでも負担を減らしていくことが望まれます。