こんにちは。リフォームアドバイザーの荒川です。
以前のブログ 『【令和元年】台風15号、19号の被害の実態』でも触れましたが、台風によって多くの家で様々な被害がありまして、その中でも最もご依頼の多かったのはやはり屋根に関する工事でした。
今回はその屋根についてのお話をしようと思うのですが、そう思ったのにはきっかけがあります。
実は今、屋根の点検依頼が多く来ています。
私宛てに直接いただくご依頼だけでも週に1~2件あるのですが、そのほとんどが『通りがかりの業者さんにお宅の屋根が気になると指摘されて、その方には頼まなかったけどそう言われると心配なので荒川さんに見てもらおうと思って。』といった、同じようなご相談でした。このようなケースは昔からよくあるのですが、台風の直後ということもあって特に最近多いのでしょう。
「お宅の家の屋根がおかしいかも」「このままでは危険」なんて言われたら誰でも不安になってしまいますよね。高くてなかなか見えない所なのでなおさらです。
『・・・でも、実際それって本当なの?』気になるところではないでしょうか。
今回は、何件も点検をしてきた現場について、実際はどうだったのかいくつか事例をご紹介していきます。
①N様邸の場合
突然ドアホンが鳴ったので出たら、業者らしき方から「近所で工事をしていてお宅の屋根が見えたのですが、お宅の屋根の角の所(いわゆる棟の事)が気になる。」と言われたそうです。10代に見える程の若い方だったようです。
外に出るよう促され「あそこです。わかりますか。」と言われてもよくわからなかったとの事でした。
「釘を数本打つ程度だから数千円でいいですよ。」との説明で、なんだかんだ話をしている内に暗くなったので、また翌日改めて来ると言いその日は帰ったそうです。
翌日、なんとその業者は高所作業車で来て仰々しく作業を始めようとしたので、お客様は急に不安になり、なんとか作業を止めてもらい断ったとの事でした。
その直後に私に連絡があり点検したのですが、結論を言えば、指摘していた事は少し的外れなものでした。
この屋根を見て、棟の事だけを問題視するのは逆に不自然です。強いて言えば古く劣化している屋根全体の現状についてお教えするべきだと思います。
棟の事だけかのようなお話をすればハードルは低く感じるからということなのか、はじめは無料や低料金で見てあげると言うので見てもらったら、あっちもこっちも問題があると急に話が大きく変わり、「このままでは危険だから今出来ることだけでもやっておくから」と手を付けることで断りづらくされた後に、目が飛び出るほどの金額を提示された!といったケースもよく聞く話です。
②H様邸の場合
こちらのお客様は、急に来た業者の方から「数日前から近くの現場で工事をしていて、お宅の屋根がずっと気になっているので教えに来た」と言われたとの事でした。
その方は「息子さんはいますか?」「いつも頼んでいる業者さんはいますか?」などと聞いてきたそうです。
お客様からすると『わざわざ他の仕事中に休憩の時間を割いてまで、わざわざ教えにきてくれた』『自分が見てあげるとは言わずに、誰か頼める人はいないかと気にしてくれた』と思ったそうです。
ただ、その方の言う近くの現場というのは100m程先にあるマンションでした。そんなに離れた所からでも教えてあげなければと思う程ひどい状況だというのでしょうか。
漫画のような話ですが、その方の言うマンションはなんとお客様の息子様が住んでいるマンションで、そう伝えたら途端に話を切り上げて帰っていったそうです。
息子様に相談したら『念の為、一度エールハウスに相談したらどうか』と言われ、更に『マンションで最近どこも工事はしていなかったはずだけど』との事でした。
実際に点検した屋根の写真はこちらです。
例えば、瓦が何枚も無いだとか、棟瓦が崩れ落ちているだとか、それこそ100m程離れた所から見てもわかるような屋根の問題は、どこにもありませんでした。
③Y様邸の場合
こちらのお客様の場合も『近所で工事をしていてお宅の屋根が見えて~』と、やはり同じように声を掛けられたとの事でした。
近所とはどこの事か聞いたら『向こうの方の現場です。』と言われたので、お客様は「向こうの方というと、きっと今足場が掛かっているあの家の事かな?」と思われたようですが、その方がその足場が掛かっている現場とやらに本当に入っていた業者さんかどうかはわかりません。
こちらのお客様は、弊社でエクステリアの工事を数日後に行う予定だった事もあって「実はこの間こんな事があったのだけどどう思います?」とご相談いただきました。
後日ドローンで検査をしてみましたが、屋根の全体的な劣化は見れますが、やはり緊急的な問題はありませんでした。
お客様としてはそろそろ屋根や外壁の修繕工事の時期だと考えていたという事もあり、その後、弊社にて工事のご依頼を頂きました。
いかがでしたでしょうか。
このように、はじめに「危ないように見える」と言われていたものが、点検してみると実際はその通りになっていない事が多いのです。
もちろん実際その通りになっている現場もありますので、一概に全てを言いがかりと決めつける事は出来ません。
何の確認もせずにいれば、問題を見過ごす事になりその問題は拡大していきます。
ですが、仮に言いがかりで言ってきているとしたら、当然古くなっている屋根の家にターゲットを絞っている事と考えられ、古く劣化している屋根の家やそろそろ手を入れる時期に見える家は、言い換えれば、経年劣化や多少なり問題はあるものなのです。そういった業者はそこを突いてきます。
大事なのは、その業者は果たして現状をありのまま伝えてくれる業者かどうかであり、点検は信頼が出来る業者にしてもらうべきだと私は思います。もし、このように声を掛けられても、慌てずに冷静に対応していただきたいと思います。
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