みなさん、こんにちは! エールハウス社長、一級建築士・宅地建物取引士の伊丹です。
暑くてジメジメした日々が続いておりますが、皆さまは体調いかがでしょうか。この時期は熱中症のリスクもありますので、こまめな水分補給など、体調管理には十分にご留意ください。
さて、今回のブログでは『空き家の半分以上はマンション!? 空き家問題の実態とは』という題目で、現在進行形で社会問題になっている空き家問題についてお伝えさせていただきます。

1,空き家の半分以上は、マンションの空き住戸
2024年度の総務省の統計調査によると、全国には約900万戸の空き家が存在していおり、住宅総数に占める空き家の割合は約14%にも及んでおり、日本中の住宅のうち、7軒に1軒は空き家という、びっくりするような現状です。将来的にはさらに空き家が増えていくことが予想されており、約20年後には空き家率が25%、日本の住宅のうち、約4分の1は空き家になるというショッキングな未来が訪れることが予期されております。この事実や予測からも、空き家問題が社会全体の問題であることは間違いありません。
一般的に『空き家が増えている』と聞くと、戸建住宅を思い浮かべる方が多いと思います。正直、私も同じです。放置空き家が草木ボーボー、家が朽ち果てて、危険だし景観を損なっている家を思い浮かべます。しかし、総務省の統計調査によると、全国の空き家のうち、半数以上の約56%、戸数でいうと約500万戸がマンションなどの共同住宅の空き住戸だというのです。マンションの空き住戸が多いという状況が、どのような問題を及ぼすでしょうか。
2,増えているマンションの空き住戸が及ぼす問題とは
先ほどの述べましたが、空き家問題の話題になると、街の景観を損なうとか、適正な維持管理がされずゴミの放置や悪臭、害獣が棲みつくなど、いずれも戸建住宅における空き家問題が取り上げられがちで、マンションの空き住戸が増えてもあまり問題がないのではないか、と想像されるのではないでしょうか。確かにその通りかもしれません。
しかし、マンションの空き住戸には別の問題があるのです。例えば、管理費や修繕積立金の滞納です。もちろん空き住戸にしていても、空き住戸の所有者の方は管理費や修繕積立金を支払う義務はありますが、住んでいないマンションの管理費や修繕積立金を払い忘れてしまう、払いたくない、という気持ちは分からなくもありません(もちろん支払わなければいけませんが)。マンションの空き住戸が増えて且つ管理費や修繕積立金を滞納する住戸が増えてしまうと、適切な修繕が行なえず、マンションの資産価値が維持できなくなってしまいます。
実は、私自身もマンションに住んでいまして、この状況を聞いて、非常に危惧しております。つい先日もマンションの回覧板が回ってきたのですが、半分以上の住戸にバツ印がついており、恐らく住んでいないということだと想像されます。マンション自体は駅近で良い物件だと思っているのですが、そういう物件でも空き住戸が増えているとすると、日本全体でマンションに空き住戸が半分以上占めているという統計は事実なんだな、と実感しております。


3,なぜマンションの空き住戸が増えているのか
マンションの空き住戸が増えている理由としては、所有者の高齢化が進んでいることです。国土交通省の調査によると、2023年にはマンション所有者のうち約25%は70代以上の高齢者とのことです。この調査結果を聞いて腑に落ちましたが、私のマンションでも高齢者の所有者さんが多いことを実感しております。将来的に高齢者の所有者の住戸は空き住戸になり、売却されるか、相続されるかするでしょう。売却されれば、他の所有者さんが住むのでいいのですが、相続されてた場合は相続人が利用してくれればいいのですが、すでに自宅を所有などしていると、とりあえず放置しておこうと考えるケースもあり得ます。これがマンションの空き住戸が増える要因となってしまうのです。

4,最後に
今回のブログでは空き家問題の中でも、マンションの空き住戸が増えていることについてフォーカスしてお伝えさせていただきました。少子高齢化の日本において、さらに空き住戸が増える事は間違いないでしょう。空き住戸になる可能性があるのであれば、将来的に売るのか、貸すのかなど、前もって相談しておくことが、マンションの空き住戸を増やさない対策になるのではないでしょうか。
エールハウスでは、建築士、インテリアコーディネーター、また整理収納アドバイザー1級、住宅収納スペシャリスト等の住まいに関わる資格を持った女性スタッフがおります。横浜・藤沢・湘南エリアでリフォーム・リノベーション・新築をお考えの際は、お気軽にエールハウスまでご相談下さい!
